地元民 被害を受けた方々

タマキさんをはじめ現地で活動しているVC支援の会関係者はある公民館で寝泊まりさせていただいていました。
非常にありがたいことであって、他のボランティアさんらは主にテントや車で寝泊まりされています。
そんな中、タマキさんの繋がりがこちらの地元に偶然あり、このように公民館をお借りすることができているそうです。


ですが、これはボランティア・支援をしに来ている人が逆に協力を受けているというものです。

ゆえに考え方、地元の方への態度など非常に気にしていました。


他にも非常にお世話になったお風呂を貸してくれたおばあちゃん、現場でごはんを無償で作ってくれていたおばさま


こちらが被災者さんの力に少しでもなる、喜んでもらうために行った被災地復興ですが、逆にとてもとてもたくさんのものを頂いたと思います。


無償でもてなす 見ず知らずの人にも

もちろん食材は支援物資もあったり、その辺は多少ありますが
でも完全なる好意です


人とはここまで善意によって働けるものなのか
というと少しオーバーですがホントにそんな気持ち


被災した中でも だからこその気持ち・行動ではないかと思います



31日に伺った個人宅

足の悪いおばあさんと息子さん(40代くらいと思われるが病気していてあまり動けない)、他にちょっと離れたとこに娘さんもいる
奥さまはちょっとわからんでした…


そんなわけで、なにか片付けや作業するにも働き手がいない状態のお宅
そんなわけでボランティアのところへ話が来たわけです

家は一階部分が浸水しており、床下に泥やヘドロが溜まっている状態
前回一度前任者さんが来ており、その時に何部屋かは作業済ませていたり、辛い体でご主人も部屋の片付けなどされていました

いろいろと前任さんとの連絡などで不備があり、一ヶ月近く間を空けてしまったよう
大変申し訳ない
こういった素人の集団っぽい失敗はホントは気を付けたいところ
ボランティア相手では被災者さんは無料でやってもらってるのであって、言いにくいというのがあるだろうし


この日行った作業は床を剥がして、床下のヘドロを取り、除湿・消臭のための石灰を撒くところまで


最初お会いしたときは、正直 大分暗い感じで低いトーンでご主人は話されていました
仕事もできない(元は漁師だが体が体なので、無理しないでできる仕事を始めようと)で新たな事でもしようという矢先、天災は人の都合には関係なくやって参ります

この時に与えられた物理的な損害 そしてそれを目の当たりにしたときの心
想像するだけでも心折れそうな気持ちではないでしょうか


話していて、ボクはどういう態度で、どんな言葉をかけたらいいのか そんな事を悶々と考えていました
少しでも元気・パワーが伝わるようにと気持ちを持っていること
しかしかける言葉は結局見つからず


そんな中、作業が進み目に見えて家がきれいにどんどんなっていきました

それを見た主人「おぉ… できる人がやれば、こんなにきれいになっていくんだなぁ」「目に見えてきれいになるとすごいなぁ」
と言ってもらえました


実際これを見てご主人もちょっと元気を取り戻してくれて、やや饒舌にいろいろ話を聞かせてくれました


持っていった弁当を食べるボクらに「無償でこんな風にきれいにしてもらって、弁当まで自分で持ってきて作業してくれるなんて… 涙が出るよ…」と何度も言ってもらいました


なんだかそれを聞いてこちらがむしろ涙が出そうな複雑な感情になりました…


たいしたこともできてないけど、それでもそう言ってもらえる気持ち

まだまだこれだけでは解決しないいろんな事も、この一つが少なくても一歩になればいいなと 思う次第です



3日に行った中学校
中学生たちは中学生らしく元気に運動会をしていました

あの子供らの心の中 そこに何があるかは正直わからんです
ちょっと生徒同士がしている話を聞いていたら、やはり津波の事は話題にありました。でもそれは後ろ向きな感じというより、生活の一部というか、ただそこにある事実の一部として捉えられてるように感じました
まだ中学生だけど、強いな そう少し思った時です

もちろんみながそうではないでしょうが


鮎川のボラセンで働いていたお姉さんもそんな強さと、もしかしたら無理してるんじゃないかという危うさ(考えすぎかもですが) そんなことを感じる



ちなみにここの学校の先生は、若い人でしたが自身で体張ってパフォーマンスしたり、率先して冗談やったり パッと見すごくいい先生たちばかりでした
それが一つ救いかもしれんですね



最後に公民館の近所ですごくお世話になったおばちゃん
お風呂を借りたりしていたんですが、毎晩お茶をいただき、時には夕食に招待してくれたり

逆にこちらが薪割りしに行ったり


人と人とのふれあい コミュニケーション
その暖かさ、嬉しさ、感謝を存分に頂きました


その方の家はわりと被害もなく無事な方なんですが「ボランティアに来てくれる人、被害の大きな被災者誰であっても、私が出来ることを少しでもやる やりたい やらなければいけないと思ってやってるの。震災直後は被災者もお風呂借りに来たり、泊まってたりしたしね。
例えば私がどうしようもなく困ったとき、今までお世話した人に声かけたら100人中一人くらいは助けに来てくれるかもしれない。それを期待して今しているとかそういうことではないのよ。でも逆にそうやって100人の1人が助けてくれるように、今は私がその一人のようにできることをやる それだけよ。」

とちょっと細かい表現はあれですが、そんな話をして頂きました



現場近くで食事を出してくださったおばさまは「次は震災・ボランティアじゃなくて、一つ 人と人同士の繋がり、友人として会えることを ぜひ楽しみにしているわ」


と仰っておりました



この震災で失うものはとても多かったと思いますが、触れられた、新たに見えたもの、感じることが出来た事も とても とても 多かったのではないかと 自分は思います